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2009年6月27日 (土)

お兄ちゃん、テロテロして。1

「1Q84」が売れに売れている。大変喜ばしい。

僕のような村上春樹ファンも含めて、数年に一度
「村上春樹なんか読むな!」
というアンチムラカミ記事で一儲けしている人も
嬉しいことだろう。HAHAHA!

「1Q84」の中には、オウム真理教を想起させる
ファクターが出てくるが、これを指摘するのは
野暮天である。

村上春樹がオウム事件との関わりを深めたのは
「アンダーグラウンド」からだ。
それ以降、彼の作品にオウム事件の影が
ひそんでいない作品は存在しない。

「スプートニクの恋人」でも
「海辺のカフカ」でも
「アフターダーク」においても、
オウム事件は
(あるいは事件の残滓と思われるものは)
繰り返し現れてきた。

だから今さら
「あっ、これオウムじゃん。エホバじゃん」
などという指摘はあまり重要性がない。

問題なのは、いまだにオウム事件を同時代の
問題としてとらえ、考え、追いつづけているのが
村上春樹だけ、ということだ。

逆に言えば、もはやオウム事件は
村上春樹を通してしか想起されない。

「どうして村上春樹なんかが、
ジャーナリズムの本分たるオウム事件に
絡んでくるんだよ!」

と、かつて言っていた
「マスコミ」はどこへ行ったのか?

日本における批評チャネルの貧弱さには
目を見張るものがある。
(かくいう僕もバカ頭の一人だが)

いみじくも西寺郷太氏が
「無罪判決が出たにも関わらず、
マイケル・ジャクソンを“犯罪者“として
紹介した記事」

「足利事件について、当時の報道内容を
振り返りもせず、えん罪の恐ろしさを語る記事」
の組み合わせに見る、マスコミの
「自己批評性の不在」を批判していたように、

「村上春樹ってまだオウムやってんのかよ」
という感想の下にある恐ろしさには
背筋が凍るものがあります。

(2につづく)



ヤトミックカフェ

矢透泰文が主催するコンテンツサイト。
コーヒーは出しませんが、楽しい読みものをサーブ。
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