« アバウト・ライフ・ワークス第16号 | トップページ | アバウト・ライフ・ワークス第18号 »

2007年9月17日 (月)

アバウト・ライフ・ワークス第17号

2004年7月に発行されたメールマガジンを
あらためて再掲載しています。

============================

アバウト・ライフ・ワークス 第17号
発行日 2004/7/13
編集発行・ヤトミック・カフェ

「アバウト・ライフ・ワークス」は【生活】というものを考える、
極めて役にはたたないが、
読んでおいても損はないメールマガジンです。
-------------------------------------------------------
【INDEX】

■ バンズコラム上
■ 突発コラム『サブカルチャーは生活に必要か?』前編
■ 雑食記:ZOUJI-kI 第11回■ バン
■ 手ぬるさ寸前のぬるさ加減 第15回
■ バンズコラム下

-------------------------------------------------------

■ バンズコラム上

バンズとは、ハンバーガーをはさむパンのこと。
バンズコラムとは、間のコラムをはさむためのコーナーです。
はさんでいるので、上下とあります。

★ 『植草甚一の散歩誌』(晶文社)を読んでいます!

皆さんは、植草甚一(1908~1979)、という人をご存知ですか?
1950年代から70年代に活躍した、コラムニストです。

この人は色々とすごい人なのですが、
まず驚くべきは守備範囲の広さ。

ジャズ、映画、ミステリー、ファッション、ポップアート、
古本屋めぐり、散歩、アート、喫茶店などなど、
まさしくサブカルチャーの権威とも言えるでしょう。

植草さんは東宝社員を経て、
「ハヤカワポケットミステリー」編集や翻訳、
「キネマ旬報」「映画之友」「スクリーン」など
映画雑誌などで執筆を行います。

そしてあの伝説のマガジン
『宝島』の責任編集をしていたのも植草さんなのです。

植草さんは、48歳になって急にモダンジャズに目覚め、
聴きまくったそうです。
植草さんといえばモダンジャズ、というイメージがありますが、
ずいぶんと遅咲きのジャズファンだったのですね。

しかし年齢を感じさせない好奇心とパワーで、
植草さんはジャズの世界に
わしわしと足を踏み入れていきました。

僕が植草甚一をはじめて読んだのは、高校生のときです。

『モダン・ジャズの勉強をしよう』
という図書館で借りた分厚い本でしたが、
「最近、モダンジャズに夢中になっている」という項から始まり、
ぐいぐいとモダンジャズにはまり始め、詳しくなって、
ますますのめりこんでいく、
そのパワーにびっくりしたのでした。

『植草甚一の散歩誌』は、そんな植草さんの大好きだった
"散歩"をテーマにしたコラムを集めたものです。

そもそも、植草甚一の魅力は、その文体にあります。
本書から、ちょっと引用してみましょう

『あそこのコーヒーはおいしいなと思うので、
新宿でゆっくりしようとするときは、つい最初にはいってしまい、
持っている本をほんのすこしだが読みはじめる。
本なしのコーヒーなんか、ぼくには考えられない。(略)』


『いちど(ジャズを)ドロップアウトになった友人が、
三年めになって急に前衛ジャズ・レコードの
いちばん新しいところを買っては楽しむようになった。
それが彼が感覚的に若返ったという証拠なのだが、
いっぽう若い人たちが古っぽいジャズを聞いて
よろこんでいるような傾向になってきた。
それがぼくには不思議でしようがない。(略)』

(『植草甚一の散歩誌』より。引用内()は矢透付す)

語りかけるような、しゃべっているような、
そうした文体は、ファンキーな植草おじさんと、
その内容の密度の濃さとあいまって、
多くの若いファンを獲得しました。

散歩をしながら気に入ったものを買い(その蔵書は4万冊!)、
気に入ったものを追求し続け、ときにはニューヨークで暮らす。
この本を読むと、そんなJ・J氏(植草さんのニックネーム)の
リラックスした生き方にほれてしまうこと、請け合いです。

ただ体力が要るなあ。

---------------------------------------------------------------------------

■ 突発コラム『サブカルチャーは生活に必要か?』前編

映画や音楽や、そういうものがなくても、死ぬわけではない。

そう言いながら、毎回「バンズコラム」で、
観た映画や、好きな音楽を書き散らしている。

生活をテーマにしたメルマガなのに、
そんなことで良いのか知ら。

安月給の中から家賃を払ったり、
電気代を滞納したり、そんなにお金がないなら、
部屋でじっとしていればいいものを、

わざわざ街に出て、「ぴあ」なんかを
ぱらぱら立ち読みしちゃったり、
タワーレコードやらに行ってしまう、それはなぜなのだろう?

それは突き詰めれば、楽しみのためである。
楽しい気分になりたいから、そういうものを漁っている。

しかし、生活費を削り、自分の身を犠牲にしてまで
レコードを買いあさったり、映画を観まくったり、
本をむさぼり読む人たちもいて、そういう人たちにとっては、
楽しむことが生活の至上の命題であり、
サブカルチャーは、もちろん生活には欠かせないものだろう。

主に学生のあいだでは、
いかに毎日を、実用とは切り離された楽しみで埋めるか、
ということが大きな意味を持っている。

学生は若さ(時には故郷からのお金)で
何とか乗り切れるけれど、もし
社会人がそうした生活をしようと思ったら、
自分が社会の無用地帯と化すことを覚悟しなければなるまい。

サラリーマンとサブカルチャーは、どこか相容れないところがある。

(次号につづく)

---------------------------------------------------------------------------

■ 雑食記:ZOUJI-kI 第11回

このコーナーは、
「毎日何を食べているか、憶えていますか?」
をテーマに、実録された食生活から
生活を振り返るコーナーです。
自意識垂れ流しの日記になってしまうことを
恐れていますが、どうなることやら。

【】内が食べたもので、主に夕食です。

● 月曜日
【オリジン弁当(エビチリ)】
最近野菜を食べていないなあと思い、
サラダやらなにやら調子にのって買っていたら、
700円を超えてしまった。激しく自分を責める。

● 火曜日
【たこ焼き】
6個いり150円。とても安いので、買って、
店の脇の腰掛けで食べる。それだけで事足りた。
なんだか胃が小さくなっている気がする。
昼食だって、一緒に食べている同期の人に
スピードも量も追いつけないのだ。

● 水曜日
【とんこつラーメン】
食が細ったかと思えば急にラーメンが食べたくなって、
駅前のラーメン屋に入る。
食べたいものを食べる幸せを久し振りに噛みしめた。

● 木曜日
【新人歓迎の飲み会】
研修が終わって配属先が決まり、
その配属先での歓迎会。
刺身やら、長方形のピザやら、飲み屋のメニューには、
腹を膨らせる機能はあるが、食事としての一貫性はない。
おごっていただいた。どうもご馳走様でした。

● 金曜日
【新人同士の飲み会】
新人だって、愚痴は出てくる。
「ハズレ」とされている部署に配属されたら、なおさらだ。
そういうわけで、不満を持つ反乱分子新人が集まった。

● 土曜日
【味噌煮込みうどん】
名古屋にも店を出しているらしいうどん屋(?)で
食べたのだけれど、
うどんはひどくパサパサしてしまっているし、
汁も煮詰まっているし、まずいことこの上ない。
文句を言えばよかった。

● 日曜日
【生春巻きといなり寿司】
まともなものを食べようと思って実家に帰ったら、
おかしな組み合わせで夕食が始まった。
組み合わせは妙だったけれど、味は大変おいしい。
他に、トマトなど野菜をたっぷりと摂って帰ってきた。

---------------------------------------------------------------------------

■ 手ぬるさ寸前のぬるさ加減 第15回

このコーナーは、
ぬるい内容を四苦八苦して書いていくコラムです。

毎度毎度言っていて
申し訳ないような気もするのだけれど、
言わずにはおれないので言ってしまおうと思う。

部屋が暑くてムシムシする。
本当にサウナみたいだ。

部屋の中にいるのに、肌が焼けたみたいにジリジリするし、
扇風機を回していても、ただ熱い空気をかき回すだけで
何の意味もない。

しかしこんな愚痴をこぼしながら、
部屋にはクーラーがついているという、
サギみたいな話である。

クーラーを使わないのは、電気代がもったいない
(あるいは払えなくなる恐れがある)
という理由なので、つまりは自己都合である。

だから、部屋が暑いのは結局
自分が悪いのだともいえる。

先日、僕は大変疲れていて、
うっかり風呂に入らずに眠ってしまった。
きちんと布団を敷いて寝たわけではなく、
そこらの床に死体のように転がって、
気絶したように意識を失ってしまったのである。

朝になって目がさめると、
不快な感覚に包まれているのに気付いた。
体中が発汗し、べとべとしている。
髪の毛はしおれて、目がしばしばする。

窓からは朝日が差し込み、
部屋の温度は早くもサウナの域に達している。
昨晩から扇風機が付けっぱなしに
なっていたようだったが、何の効果もなかった。

急いでシャワーを浴びた。

しかし夏とはいえ、たった一晩風呂に入らずに
いただけでこんなに不快なことになるなんて、
人間の体というのは
ずいぶん手間のかかるものだなあ、と、思った。

本当は少し泣きそうだった。

---------------------------------------------------------------------------

■ バンズコラム下

(発行人より)

今号も
「アバウト・ライフ・ワークス」を読んでいただき、
ありがとうございます。

編集がズルズルと遅れていますね。
火曜日発行が「ほぼ週間発行」の最後の
防衛線ですね。
(2007年注:2004年当時のメールマガジン発行時の話です)

週末にまとめてバタバタやるからいけないんだ。
明日からにでも次号の編集を始めないといけないなあ。

閑話休題。

先日実家に帰ったら、
セミが鳴いていて、びっくりしました。
夏のような気候とはいえ、
まだ梅雨が明けていないというのに。

社会人になったら季節感を失ってしまうのだろうか?
たとえば夏の終わりには、
しんみりした気分になったりしたいのだけれど、
そんな余裕はないような気もします。嫌だなあ。

それではそんなことを思いながら、
皆さんお元気にお過ごしください。

第18号でまたお会いしましょう。

(アバウト・ライフ・ワークス発行人/矢透泰文)

|

« アバウト・ライフ・ワークス第16号 | トップページ | アバウト・ライフ・ワークス第18号 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/426815/7974726

この記事へのトラックバック一覧です: アバウト・ライフ・ワークス第17号:

« アバウト・ライフ・ワークス第16号 | トップページ | アバウト・ライフ・ワークス第18号 »